日本では伝統的な仕事をして人間国宝と呼ばれる人、長い間一つの仕事に専念して勲章の受賞をされる人がいる。
私たち工業人が上記のようなお褒めをいただくようなことは無い。
しかし、工業人がする仕事では、工業製品で多くの人に喜ばれていることが多い。
工業人がする仕事は、多くの利他業を積んでいるのと同じと私は思う。
個人が報われることは、給与・ボーナスがもらえ飯が食べれることが有難い。
近年は、転職が一般的になり、色々な種類の仕事へチェンジすることが増加傾向にある。
多くの種類の仕事をすることで、多能工化をして対応力の高い人になることも良いことと思う。
しかし、工業人が1つの仕事を長年続けることで、専門技術が高まりマイスターになることも良いと思う。
長年、1つの仕事を続けることは、移り変わりの激しい現代において「頼りにされる人」になれる。
「頼りにされる人」にどんな利点があるかというと、利点は何も無い。
多能工とは違った良さがあり、無欲で取組むことに価値があると思う。
ここで「驕り」が出てくると逆効果となり、どんなによい技術を持っていても「頼られない人」となる。
でも、1つの事を追求することで、身に付けた技術は大きな自信となり確固たるものとなる。
この日々の努力が長年生きてきた証しとなり、1つの仕事に感謝の気持ちがあふれてくる。
工業人はこの境地へ行かないと本物にはなれないと思う。
そして、適者生存で活かされ、人それぞれ何かで必ず努力は報われる。
工業人はこれでいいのではないでしょうか。
欲ばかりが判断基準となっては高い技術の研究は難しい。